2040年の東京圏 都市の高齢化への対処を急げ

読売新聞 2018年8月28日

 高齢化が進む東京圏は将来、医療や介護サービスが足りなくなる恐れがある。政府と東京都は危機感を共有し、対策を講じねばならない。
 高齢者人口がピークとなる2040年に向け、政府の地方制度調査会が自治体のあり方の検討を始めた。過疎化が進展する地方で、行政機能をいかに維持するか方策を話し合う。
 もう一つの重要な論点が、東京をはじめ、都市部で深刻になる高齢化への備えである。
 高度経済成長期以降、地方から移り住んだ世代が高齢期を迎えている。東京都と神奈川、千葉、埼玉3県の高齢者は、40年代には15年よりも約270万人増える。
 急増する医療・介護需要をまかなうため、中長期的な観点から取り組まねばならない。
 今でも、東京23区は介護施設などが不足しており、待機者も多い。多摩地区や周辺県で受け入れているのが実情だ。
 東京都だけでは解決できまい。1都3県は、広域的な視点で、施設整備や在宅介護の充実に向け、連携と調整を行う必要がある。
 医療・介護人材については、地方からの流入が続いているが、いずれは、限界が来るだろう。
 必要な人員を長期的に確保しなければならない。元気な高齢者が、介護の担い手に回るような施策を促進することも大切だ。
 東京都内は、急性期の医療機関は多いものの、高齢者の利用が多い慢性期の患者に対応した病院は不足しがちだ。
 在宅での療養を充実するなど、地域で質の高い医療を受けられる環境を整えたい。
 首都直下地震への備えも急務である。東京都区部では、数十万人分の避難所が不足する見込みという。広域的な避難体制を構築することが欠かせない。
 こうした多くの困難な行政課題に対応するためには、政府が責任を持って、自治体間の連携を強化しなければならない。
 首都圏の知事や政令市長らは定期的に会議を開いているが、長期的な課題の解決に向けて、十分機能しているとは言い難い。
 政府と1都3県が、東京圏の医療・介護、防災などについて話し合う枠組みを創設してはどうか。有効な手立てや役割分担について、実務的に詰めるべきだ。
 人口と産業が集積する東京圏は、国全体を牽引けんいんする役割も果たす。政府と関係自治体が十分に意思疎通を図り、首都の将来像を描いていくことが重要だ。

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