在宅から⾒た18年度同時改定(3)特養配置医の対応を評価、看取りの推進に期待

キャリアブレインマネジメント 2018年06⽉15⽇

【医療法⼈あい友会 あい太⽥クリニック 舘野晃⼀郎】
 2018年度診療・介護報酬の同時改定では、特別養護⽼⼈ホームでの医療サービスの取扱いが⾒直されました。今回は特養での看取りを推進するため、協⼒医療機関による「在宅ターミナルケア加算」「看取り加算」(いずれも診療報酬)の算定要件が緩和されました。従来は特養が介護報酬の「看取り介護加算」を算定していない場合に限り、協⼒医療機関でも算定可能でしたが、今回は特養の算定の有無にかかわらず、可能となりました。特養における医療サービスの⾒直し クリックで拡⼤
 厚⽣労働省「2018年度診療報酬改定説明会」資料より

 特養は「終の棲み家」とも呼ばれますが、医療的な対応には限界があり、看取りに⼗分対応できている所とそうでない所があるなどさまざまです。要因の⼀つとして、臨時対応ができる医師が少ないことが挙げられます。
 特養には配置医師がいますが、ほとんどが⾮常勤の嘱託医です。この医師が⼊所者に診療をした場合、原則的に介護報酬を中⼼に評価されます。特養の医療費や薬剤費はいわゆる“まるめ”となり、配置医側からは初診料、再診料、往診料を算定できないため、特養が契約料⾦の形で診療の対価を配置医に⽀払います。
 配置医からすると、同じ診療をしても、サービス付き⾼齢者向け住宅や有料⽼⼈ホームなら在宅患者訪問診療料や在宅時医学総合管理料(在医総管)、施設⼊居時等医学総合管理料(施設総管)が算定できるのに、特養はできないこともあり、報酬のメリットは少ないというのも事実です。今回の算定要件の緩和により、特養での看取りが進むことが期待されています。
【参考】「特別養護⽼⼈ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の⼀部改正について(保医発0330第3号、2018年3⽉30⽇)

今回改定では、オンライン診療料が注⽬されました。
【オンライン診療料 70点(1⽉につき)】
 初診から6カ⽉以上経過した患者が対象です。算定できるのは、特に在宅に関連する場合、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、在宅時医学総合管理料、精神科在宅患者⽀援管理料を算定している患者です。このほか、特定疾患療養管理料、⼩児科療養指導料、てんかん指導料、⽣活習慣病管理料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料の患者も対象です。原則、該当する管理料など、初めて算定した⽉から6カ⽉以上算定していることが要件です(再診のみ算定した⽉は要件に含まれず)。この間は、オンライン診療を⾏う医師と同⼀の医師が、毎⽉対⾯診療を⾏っている必要があります。ただし、当該管理料等の初回算定から6カ⽉以上経過している場合、直近12カ⽉に6回以上、同⼀医師と対⾯診療を⾏っていれば要件を満たします。また、算定開始後も3カ⽉に1回は対⾯診療が必要です(3カ⽉連続の算定は不可)。

【オンライン医学管理料 100点(1カ⽉につき)】
 オンラインによる医学管理を⾏った場合、前回対⾯受診⽉の翌⽉から今回対⾯受診⽉の前⽉までの期間が2カ⽉以内の場合に限り算定可能です。
 あくまで対⾯診療が原則で、それを補完するものとなっています。医師の都合ではなく、患者からの求めに応じて⾏うことも⽰されています。施設基準では、緊急時には概ね30分以内に診察可能な体制を有していることなどの要件が厳しいと感じるかもしれません。また点数も決して⾼いとは⾔えず、⼀気に普及するかどうかは疑問です。
 その⼀⽅で、「オンライン診療に点数が付いたこと⾃体が⼤きな前進だ」という⾒⽅もあります。今後ますます⾼齢化が進み、通院困難者が増えることは容易に想像できます。
 地⽅では医師不⾜も深刻です。動き出したばかりですので、今後の⾏⽅に注⽬したいと思います。
 そのほか、在宅での経管栄養、経腸投薬、⾃⼰洗腸などについての指導管理料が新設されています。

【在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料 2500点】
 注 在宅半固形栄養経管栄養法を⾏っている⼊院中の患者以外の患者(別に厚⽣労働⼤⾂が定める者に限る)に対して、在宅半固形栄養経管栄養法に関する指導管理を⾏った場合に算定する(最初に算定した⽇から起算して1年を限度)。

【在宅経腸投薬指導管理料 1500点】
 注 ⼊院中の患者以外の患者であって、レボドパ・カルビドパ⽔和物製剤の経腸投薬を⾏っているものに対して、投薬等に関する医学管理等を⾏った場合に算定する。

【在宅腫瘍治療電場療法指導管理料 2800点】
 注 別に厚⽣労働⼤⾂が定める施設基準に適合しているものとして地⽅厚⽣局⻑等に届け出た保険医療機関で、⼊院中の患者以外の患者で、在宅腫瘍治療電場療法を⾏っているものに対して、療養上必要な指導を⾏った場合に算定する。

【在宅経肛⾨的⾃⼰洗腸指導管理料 950点】
 注1 別に厚⽣労働⼤⾂が定める施設基準に適合しているものとして地⽅厚⽣局⻑等に届け出た保険医療機関において、在宅で経肛⾨的に⾃⼰洗腸を⾏っている⼊院中の患者以外の患者に対して、経肛⾨的洗腸療法に関する指導管理を⾏った場合に算定する。
 2 経肛⾨的⾃⼰洗腸を初めて実施する患者について、初回の指導を⾏った場合は、当該初回の指導を⾏った⽉に限り、導⼊初期加算として、500点を所定点数に加算する。
 在宅医療に期待される役割は⼤きくなっています。質の⾼い在宅医療を提供するために、地域の状況とニーズを把握し、地域で完結することが⼤切ではないでしょうか。医療、介護の垣根を超え、安⼼して住み続けることができる地域づくりができたら素晴らしいことだと思います。

舘野晃⼀郎(たての・こういちろう)
 1996年同志社⼤⽂学部社会福祉学専攻卒業後、損害保険会社に勤務。その後、介護⽼⼈保健施設の⽀援相談員を経て、善衆会病院(前橋市)に勤務。地域医療連携室⻑などを務める。2016年から在宅療養⽀援診療所「あい太⽥クリニック」で事務部⻑を務める。社会福祉⼠、介護⽀援専⾨員。

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