「選ばれる国」へ、日本人と同待遇  外国人労働者受け入れ拡大 識者に聞く 地域と共生の枠組みを

日本経済新聞 2018年6月17日

政府が2019年度から単純労働を含めた外国人労働者の受け入れ拡大に乗り出す。研修目的の技能実習などに限定してきた従来の政策は転換点を迎える。外国人に「選ばれる国」への環境づくりは急務だ。有識者に受け入れ態勢づくりについて聞いた。

 政府は15日に外国人労働者の受け入れ拡大方針を盛り込んだ経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。建設、農業、介護などの5分野に最長5年の新たな在留資格を設け、2025年ごろまでに50万人超の受け入れを想定する。単純労働分野の就労資格を認めたのは初めてだ。
 有識者には前向きな受け止めが多かった。みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「労働人口の増加は潜在成長率を押し上げる」と述べ、日本経済にプラスの効果があると語った。野村総合研究所顧問の増田寛也元総務相も「地方にとってのメリットは大きい」と地方経済への恩恵を説いた。
 日本の15~64歳の生産年齢人口は1997年を境に減少している。菅義偉官房長官は15日の記者会見で「小規模事業者をはじめとする現場では人手不足が深刻化している」との認識を示した。
 2040年度の生産年齢人口は18年度比で約1500万人減る見込み。高齢者や女性と並んで外国人の労働力の重みは増す。
 一方、労働政策に詳しい中島隆信慶大教授は「安易に外国人に頼るのはさけるべきだ。技術の進歩や未活用の労働力をどう生かしていくかという発想をすべきだ」と指摘した。「国内労働市場のメカニズムによる自力解決が望ましい」と政府に再考を促した。
 政府は秋の臨時国会の関連法案提出に向け、具体的な制度を詰める。増田氏は「企業経営が厳しくても、外国人労働者は日本人と同待遇にすべきだ」と主張した。
 技能実習では受け入れ企業による不正が相次ぎ不満が広がっていた。「アジアで人材獲得競争になったとき、外国人から選ばれる企業になっていないと、淘汰されてしまう」と話した。
 受け入れ業種が無原則に拡大しないような基準づくりを求める意見もあった。日本総合研究所の山田久氏は「先進国では労働市場テストをして絶対的に労働力が不足しているかチェックしている」と説明した。
 骨太方針に記された基準はあいまいで、対象業種の拡大に余地を残した。山田氏は「多くの未熟練労働者を受け入れると地域社会との共生の問題が出てくる。しっかりした制度の枠組みが必要だ」と強調した。
 単純労働分野で外国人労働者が増えれば、日本人の仕事にも変化が生まれる。唐鎌氏は「外国人に単純労働に就いてもらえば、日本人はより付加価値の高い仕事ができるようになる可能性がある」と語った。「そのためには、同一賃金同一労働にとどまらないさらなる雇用改革が望まれる」と訴えた。

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