混合介護、生活支援多彩に 家事や買い物代行、豊島区が実験

日本経済新聞 2018年5月31日

 東京都豊島区は8月、介護保険と保険外サービスを組み合わせる混合介護のモデル事業を始める。国家戦略特区を活用した全国初の実験で、10社・団体が介護と合わせ、家事や買い物の代行など多様なサービスを用意する。介護業界で人手不足が深刻化するなか、事業者の収益機会を増やし、職員の賃上げや生産性の向上につなげる狙いだ。

都内では介護職の人手不足が続く(研修風景)
 30日、政府が都内で開いた国家戦略特別区域会議で豊島区が報告した。
 参加業者を1~3月に公募し、企業とNPO法人を合わせ10団体に決めた。保険外サービスは区の有識者会議がまとめた要件をもとに各事業者が提案した。
 計画では、要介護者の食事やトイレなどの世話をする訪問介護に加え、居宅内外の日常生活支援や安否確認、見守りに関連した保険外サービスを受け付ける。居宅内では掃除やペットの世話、電球の取り換えのほか、同居家族分の調理、洗濯にも対応する。ネット注文のサポートなど買い物も補助する。
 居宅外サービスは外出先への送迎をはじめ、買い物や墓参り、散歩への同行などが対象。単身高齢者などを対象にした安否確認では、センサーやウェブカメラなどICT(情報通信技術)を活用し、かかりつけ医などと情報を共有する。
 保険外の料金は業者によって異なる。複数のサービスの組み合わせで、1時間あたり2000~3000円台が目立つ。
 一方、不当な料金徴収などのトラブルを防ぐため、制約も課す。業者には保険外サービスの提供計画の策定を求め、利用者だけでなくケアマネジャーにも了承を得る仕組みにする。業者との契約を書面化し利用者保護の規定を盛り込むほか、区の介護保険課などで苦情相談も受け付ける。
 介護業界の担い手不足は深刻だ。都内の介護サービス職の有効求人倍率は2017年度で6.14倍。全体平均の1.8倍を大きく上回る。混合介護が広がれば、業者が全国一律の介護報酬だけでなく、自助努力で収益を増やす機会が増える。
 区有識者会議の座長を務める昭和女子大学の八代尚宏特命教授は「豊島区の実験が成功すれば、全国の混合介護のモデルになる」と話す。ただ、介護保険と保険外サービスの線引きが硬直的な課題も指摘する。例えば介護保険による利用者本人の食事の調理と、保険外の家族分の調理は一度鍋を洗うなど、別々に分けなければならない。事業は21年3月まで実施し、課題を検証する予定だ。

▼混合介護 原則1~2割の負担で利用できる介護保険サービスと、保険の対象外で利用者が全額を自己負担する保険外サービスを合わせて提供することを指す。現在も禁止されていないが、認める基準があいまい。自費のサービスなのに介護保険サービスと利用者に誤認させかねず、混合介護を一切認めない自治体も少なくない。

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