【東京】認知症「見える化」で改善東京都、ICT活用

日経新聞 2018年5月24日

 東京都はICT(情報通信技術)を活用し、認知症の症状を改善する事業を2018年度中に始める。症状を数値やグラフで可視化し、家族や介護職員などで情報を共有するプログラムを外郭団体が開発した。区市町村に補助金を出し、導入する介護事業者を募る。急速に高齢化が進む25年までに、都内全域に取り組みを広げる計画だ。

研修で認知症症状の改善プログラムに精通した介護職員も養成する
 東京都医学総合研究所(東京・世田谷)が認知症ケアに実績のあるスウェーデンを参考にプログラムを開発した。介護関係者がタブレットなどから専用サイトにアクセスし、徘徊(はいかい)など患者の症状の頻度、重症度を記録。職員や家族がグラフなどで情報を共有しケア計画を練る。認知症を対象にしたこうした試みは全国でも珍しいという。
 具体的には、サイト上で認知症の患者について「突然怒りを爆発させるか」など約90の質問に、「はい」「いいえ」を選択する。入力した回答に応じて「興奮」「不安」「幻覚」など12項目について重症度が自動で数値化される。その特徴を基に改善策を介護現場のチームで議論、実践する。
 興奮の数値が高く入浴を拒否する患者の場合、リラックスした状態で誘う方法を探る。家族から患者の趣味を聞き取り、好きな音楽を流し事前に歓談するなど知恵を出し合う。不安に襲われ夜間などの外出を求める患者には職員が付き添うなど落ち着いた環境で過ごせるよう配慮する。重症度は定期的に計測し効果を検証。ノウハウを蓄積し症状の改善につなげる。
 介護事業者は区市町村を通じて募集する。募集にかかる経費や、プログラムに精通した人材の研修費として900万円を上限に区市町村に補助する。団塊世代が75歳以上になる25年までに多摩地域を含め、都内全域に事業を普及させる方針だ。
 認知症の症状を科学的に改善できれば、介護職員だけでなく家族の負担も減らせる。16年時点で要介護・支援認定を受けている都内の高齢者のうち、認知症の症状を持つのは約41万人。都の試算では25年には約56万人と1.4倍に増える。65歳以上人口に占める割合も2割に近づき一層の対策が必要になる。
 国は認知症対策の総合的な国家戦略「新オレンジプラン」を15年に策定し、住み慣れた地域で生活できる環境の整備を柱に位置付けた。ただ、介護の担い手が不足するなか、ベテランだけでなく経験の浅い職員でも認知症患者に対処できる方法が求められる。
 都医学総研の西田淳志プロジェクトリーダーは「従来の認知症ケアは症状を文字情報で管理し客観的な効果が分かりにくかった」と指摘。「グラフなどで可視化することで職員の情報共有やモチベーションの向上につながる」と話す。

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