広がるか医師・助産師連携 役割分担し負担を軽減

産経新聞 2018/8/17

出産年齢の高齢化に伴い、帝王切開や早産、低体重児などハイリスク出産が増える一方、産婦人科医の不足や偏在も深刻だ。正常な出産を担当する助産師と、リスクのある出産に対処する産婦人科医が病院内でより効率よく連携できないか。日本看護協会は今年、そうした連携を実現するための「院内助産・助産師外来ガイドライン」を改訂し、普及を図っている。東京都多摩市の日本医大多摩永山病院では先進的な取り組みが行われている。

医師から反対の声
同病院がある東京都西部では、出産取り扱い施設が減少し、23区内と比べて人口当たりの産婦人科医も少ない。同病院にはハイリスクの妊産婦が集まり、年間約500件の出産の40%以上が帝王切開だ。リスクの低い妊産婦を周辺の医療機関に紹介する仕組みをつくるとともに、平成18年、院内助産・助産師外来を導入した。院長の中井章人女性診療科・産科部長によると、院内助産、助産師外来を設ける以前の当直医は、呼び出しに追われていた。
「陣痛があった妊婦から電話が入れば話を聞き、病棟と事務に連絡する。到着したら診察して、入院の要否を判断し、また各所に連絡。モニター装着や点滴などを指示し、変化があればまた診察に行き、出産室の入室を判断し…。切りがなかった」
ただ、院内助産と助産師外来の導入には当初、負担が減るはずの医師から強い反対があった。どこまで任せられるのか、信頼関係がなかったのが一因だったという。

客観的な基準で
そこで、母体や胎児がどのような状況なら異常と判断するか、実際の症例を基に医師と助産師が徹底的に議論し、細かいチェック項目を定めた。「助産師の技量に左右されない、客観的な基準、手順を決めるのに時間をかけた」と中井さん。
現在は、正常な出産と判断されれば助産師がほぼ担当することになっている。平日は毎日、助産師外来を開く。健診で顔を合わせた助産師が出産時にずっと付き添う場合もあり、妊産婦にも好評だという。
導入当初から在籍している助産師の五十嵐里砂さんは、「助産師側も指示待ちの姿勢だったため、当初は間違いがあってはならないと強いプレッシャーを感じていた。今ではやりがいの方が大きいです」と振り返る。
医師は、呼び出しが出産前後だけとなり、ハイリスクの妊産婦に手厚く対処する余裕ができた。救急車受け入れを断ることも減った。「働き方改革にもつながるはず」と中井さんは期待する。

レベルアップ不可欠
中井さんも作成に加わった日本看護協会の新ガイドラインには、こうした先進的な取り組みの成果が盛り込まれ、開設時に求められることが細かく定められた。
従来の「正常出産は助産師、ハイリスクは医師」という区別ではなく「すべての妊産婦に助産師が関わり、ハイリスクでは産婦人科医が加わる“チーム医療”」を強調した。
厚生労働省によると26年、全国で出産を扱った1041の病院のうち127病院が院内助産を運営。助産師外来は半数を超える559病院に広がった。
体制づくりには助産師の数の確保とともにレベルアップが欠かせない。日本看護協会は、実践的な能力があると認証する通称「アドバンス助産師」の制度を導入し、責任を持ってお産に対処できる人材養成に力を入れる。
新ガイドラインはウェブサイトで公開し、病院、診療所にダイジェスト版を送付した。井本寛子同協会常任理事は「システムの標準化や、既に設けている医療機関での体制の点検にも役立ててほしい」と話している。

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