【西日本】独居高齢者、遅れる避難 西日本豪雨

日経新聞 2018/7/14

 西日本を襲った記録的豪雨で、河川が相次いで決壊した岡山県倉敷市真備町地区では犠牲者の大半が70歳以上の高齢者だった。独居の人が多く、夜間に自力で動くことの難しさや情報不足が避難の遅れにつながったようだ。中には地域で長く暮らした経験が油断を招いたケースも。障害者や外国人なども含む「災害弱者」の命をどう守るかという課題が改めて浮かんだ。
 「爆発音のようなものが聞こえたが、どうすることもできなかった」。7日未明、地区内に1人で住む男性(81)は自宅近くを流れる小田川が決壊した音で目覚めた。寝室のある自宅1階はあっという間に浸水。つえを使い、急いで2階に上った。
 男性は約10年前から介助なしでは長時間の歩行が難しく、「1人では絶対に避難できないと感じた」。7日夕、消防隊員のボートで助け出されたが「こんなに怖い経験をしたのは人生で初めてだ」と声を震わせた。
 岡山県によると、真備町地区の死者は13日午後2時時点で50人。年齢が明らかになったのは5~92歳の40人で、その8割、32人が70歳以上だった。年齢別にみると70代が16人で最も多く、80代は13人、90代は3人だった。
 市関係者は多くの高齢者が犠牲になった要因について「独居で助けを呼ぶ間もなく水害に襲われたり、足などが不自由で逃げることができなかった人が少なくないのではないか」と話す。
 若年層に比べインターネットなどとの接点が少ない高齢者には災害情報も伝わりにくい。独居であればなおさらだ。今回の豪雨で倉敷市は7日午前1時半、小田川北側に避難指示を出し、サイレンを伴う防災無線で繰り返し避難を呼びかけた。
 しかし、地区内の独居女性(76)は「雨の音しか聞こえなかった」と振り返る。7日午前3時ごろ、市内に住む息子から固定電話に連絡があり、初めて事態を知った。携帯電話を持っておらず、普段テレビもあまり見ないため豪雨に関する情報が入らなかったという。
 経験による思い込みや油断という課題もある。「大雨など何があっても安全だと信じ切っていた」。真備町地区で長く暮らす男性(73)は言う。
 瀬戸内地方は年間の気候が比較的安定した地域。避難指示などを伝えるスマートフォンのアラームが聞こえたが、行動は起こさなかったという。河川決壊後に屋根の上によじ登り、半日後、警察のボートで救助された。
 情報格差や自力避難の難しさなどは外国人や障害者にも共通する。こうした人々の避難を少しでも円滑に進める手立てを地域の実情に応じて考える必要がありそうだ。

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