介護人材不足 採用難でベッド休眠

毎日新聞2018年6月27日

介護人材不足が招くリスクと対策/「働き手」の人口が減る中、介護の担い手の需要は増える一方/介護の有効求人倍率は全体の2倍以上
 高齢者施設や訪問介護事業所で働く介護職員の不足に歯止めがかかりません。スタッフが足りず一部のベッドを空いたままにする施設も出ていて、必要な介護サービスが受けられなくなる心配もあります。原因と対策を考えます。

有効求人倍率3・50倍 現状は派遣社員頼み
 「今年度は2度も職員を募集したのに応募はゼロ。やむを得ず派遣社員に頼っているが、人繰りに余裕がない」。東京都杉並区の特別養護老人ホーム(特養)の管理者は肩を落とす。求人難は介護施設の切実な問題になっている。
 求職者1人に何件の就職先があるかを示す有効求人倍率は2017年の平均が1・50倍だったが、介護分野に限ると3・50倍。単純計算で人が欲しい7施設のうち2施設しか採用ができない。結果として生じるのが、利用の抑制だ。
 シンクタンク「みずほ情報総研」の16年度調査では全国の特養の26%に空床があり、最多の理由は「職員の採用難」だった。厚生労働省によると、職員数が国の基準を満たせないため定員まで利用者を入れられない特養や老人保健施設が都市部を中心にあるという。
 主に重度者を対象とする特養へ入所を申し込んでいる「待機者」は16年時点で全国37万人に上る。うち自宅で入居を待つ人は12万人もいる。職員不足がベッドの休眠状態を招き、待機者を介護する家族の負担増につながっている。

少子高齢化と低賃金 職員負担さらに増加
 介護職員が足りなくなる根本の原因は少子高齢化だ。介護保険制度がスタートした00年に比べると、17年の高齢者数は6割増えて3522万人に、要介護・要支援の認定者は3倍の633万人に膨れ上がった。一方で、働き手となる15~64歳の人口は1割減の7592万人に落ち込んだ。
 賃金が他産業に比べて低いのも、人手不足に拍車をかけている。17年の全産業の平均月給は33万3800円だが、施設の介護職員はそれより約10万円低い23万3600円。結城康博・淑徳大教授(社会福祉学)は「介護は仕事がきついのに賃金が見合わず、ただでさえ厳しい労働市場で他産業に勝てない。人員不足が職員の負担を増やし、介護事故のリスクも高まる」と悪循環を懸念する。
 この傾向が続くとどうなるか。政府の推計では、団塊の世代(1947~49年)がすべて75歳以上になる25年度には245万人の介護人材が必要になるが、職員は今より増えても211万人どまり。34万人もの需給ギャップが生まれる。結城教授は「このままでは訪問介護サービスの供給も維持できず、要介護高齢者の生活が危ぶまれる。抜本的な対策が必要だ」と話す。

外国人の働き手に期待 新たな在留資格創設
 政府も対策を急いでいる。賃金面では、介護福祉士の給与が最大で月3万7000円程度上がるように介護報酬を加算。さらに来年10月の消費増税に合わせ、勤続10年以上のベテランは月8万円程度上がる処遇改善を図る予定だ。
 求職者増に向けては、介護福祉士を目指す学生に奨学金を、退職した介護職員には再就職の準備金を貸して、介護現場で一定期間働けば返済を免除している。定年退職が近い人や子育てが一段落した主婦には介護の入門研修のプログラムも用意し、介護未経験者の参入を促す。IT機器による業務の効率化も進め、補助金や介護報酬加算で夜間の見守りセンサーなどの導入を促している。それでも必要な労働力を確保するのは難しく、政府は頼みの綱として外国人の働き手に期待する。既に2国間の経済連携協定(EPA)や外国人技能実習制度で門戸を開いているが、今後は実習を終えた人たちを対象に最長5年間の新たな在留資格を創設し、受け入れを拡大する方針だ。厚労省幹部は「台湾や欧州など海外でも介護に外国人を導入しており、国際的な人材獲得競争が激しくなるだろう。どれだけ効果があるか分からないが、やれることを試すしかない」と話す。

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