【福井】理学療法士、行政職で本年度採用 介護予防充実へ

福井新聞  2018年6月27日

 福井県高浜町に本年度から理学療法士(PT)が、町レベルでは全国的にも珍しい行政職として加わり、要介護の高齢者の運動指導に当たっている。要介護の度合いを低くする、また要介護状態にならないよう未然に防ぐといった介護予防を充実させるのが狙い。さらに町内では、金銭的な問題や交通手段の面から病院などに通えない人が目立ち、そういった人たちの支援にも期待が高まっている。
 加わったPTは松本悠作さん(28)=同町。同町出身で大阪府の専門学校を卒業後、6年間、PTとして同府内の病院で勤務し、集中治療室(ICU)や外来などの患者を年間約200人診てきたという。本年度から地元に戻り、町地域包括支援センターで勤務している。
 同町の65歳以上は3265人(5月末時点)と人口の31%を占める。高齢者が今後さらに増えていく中、高齢者の介護予防が課題となっている。
 これまで保健師らが介護予防へ取り組んできたが、要介護状態は身体機能の低下によるものが大きく、専門知識・技術の不足から限界があったという。そこで「その道のプロがいた方がいい」(同センターの今村幹雄所長)と、PTの採用を模索してきた。PTは全国的に病院などで需要が高く、賃金面などの理由で行政に就く人は少ないのが現状。松本さんは、PTとして地元に貢献したいと強く希望したことから勤務が実現した。
 要介護者について各地域から情報を得て、自宅に赴きリハビリ法を指導する。また運動能力を評価し、病院などの関係機関に伝える「サービスとサービスをつなぐ」(松本さん)役割も持つ。
 また同町特有の事情もある。今村所長によると、同町には1965~75年に原発作業員として来た人たちが高齢化。周りに親戚がいなかったり、介護保険料を支払えなかったりして、通院できない、介護を受けられないという人が目立つという。そういった人たちの支援も重要な仕事だ。
 6月上旬に訪れたのは、70代の夫婦と息子の3人世帯。息子が働きながら夫婦を介護している。この日はベッドからなかなか動くことのできない女性に、足を上下させるトレーニングや椅子に移動する動作などを指導した。
 これらの指導は自力で生活できる範囲を広めるだけでなく、介護する側のサポートにもつながる。「椅子に移れるようになるだけでも、ベッドのシーツ交換などがスムーズにいく。介護する息子さんの負担を少しでも減らせるようにしてあげたい」と指摘した。
 訪問のほか地域サロンなどで、要介護状態になるのを防ぐための運動を伝えるなど、活動は多岐にわたる。松本さんは「皆さんが元気に暮らしていける町にしたい」と日々、奮闘している。

 ■行政職としての理学療法士(PT) 病院勤務の場合は、病院に来る患者のみが対象で「治療」に当たることが主。行政の場合は住民全てが対象となり「予防」がメインとなる。個人支援のほか、地域サロンでの健康相談など地域への支援としての役割も担う。今年3月時点で全国の地域包括支援センターに勤務するPTは486人で全体の約0・4%。うち、人口3万人未満の自治体では10人しかいない。

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